


『ブランディングへの解る見えるマーチャンダイジング』
= MD&VMDの最新技術と戦略を体系化 =
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平成4年10月に『見えるマーチャンダイジング』を世に出して早、11年余が過ぎました。同書は絶版後も問い合わせが相次ぎ、インターネットの古書サイトでプレミアムがつく程、息の永い人気を保っていましたが、11年の歳月はいかんともし難いものがありました。一刻も早く、最新技術を反映した新著を世に問うべく機会を探しておりましたが、情況変化と技術革新があまりにも速く、体系的にまとめるのが困難だったのです。 しかし、日進月歩の技術革新が一巡するのを待っていては、永遠に出版チャンスは訪れません。二十世紀の様々な技術革新が本質から問い直されている今、意を決してマーチャンダイジングの最新技術体系を一冊の本にまとめる事に致しました。グローバル化とIT技術革新、SPAの定着とラグジュアリーブランドの繁栄などの最新情勢を反映し、今後十年間はプロの必携書たれる内容を追求したつもりです。
本書は中〜長期的なブランディングのスタンスに立ち、マーチャンダイジングとその売場展開たるビジュアルマーチャンダイジングを中心に、ソーシングからディストリビューションまで、最新の技術と戦略を体系化したものです。
最新の技術体系を学びたいフレッシャーから、自らの経験的手法を見直したいベテラン、様々な技術を組み合わせて現状突破の戦略を見い出したい経営者の方々まで、多様なニーズに応えられる構成を心掛けました。本書がさらなる技術革新と戦略構築のきっかけとなれば幸いです。
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商業界から2004年2月15日一斉発売
<A5版/定価1,600円(税別)>
プロローグ 『マーチャンダイジングの本質はブランディングだ』
マーチャンダイジングとは、品揃えの構成と売場展開、その時系列運用、それに関わる開発・調達〜配分・物流といった総てのプロセスを統合した概念です。
最初にコンセプトとフォーカスがあって商品計画が組まれ、その時系列的売場展開表現たるVMD(狭意のビジュアルマーチャンダイジング)を実現すべく、開発と調達/生産、ロジスティクスを組み上げていきます。そのプロセス総体がマーチャンダイジングであり、顧客から見ればビジュアル・マーチャンダイジングなのです。
その本質は『ブランド』の体現であり、顧客満足を積み重ねて購買慣習を定着させていく最大のツールと言うべきでしょう。トレンドに流されてポジションや構成を崩したり、コストやQRを追って品質や『面』を崩したりといった安易な跛行は、けっして良い結果をもたらしません。
マーチャンダイジングの成功とは一時の売上増ではなく、志の伝道と顧客満足の積み上げによるブランド支持の向上、すなわち、『ブランディング』に直結するものでなければなりません。
マーチャンダイジングには様々な技術があり、QRやカテゴリーマネジメントのような特異な技術革新も見られますが、効率は向上しても顧客満足とブランド支持に繋がらない手法も少なくないのです。
本書におけるマーチャンダイジングの戦略と技術の追求は効率重視に偏らず、中長期的なブランディング、すなわち顧客満足とポジショニングを重視して論じたいと考えます。
第一章 『ブランド価値』とマーチャンダイジング
■すべての商売は『ブランドビジネス』だ
■『ブランド価値』を守る8つの鉄則
■ブランド・マーチャンダイジングの在り方
第二章 ポジショニング戦略
■まずポジショニング在りき
■マーケット・サイドのポジショニング
■提供方法のポジショニング
■サプライ・サイドのポジショニング
■独占はシンプルなビジネスモデルを可能とする
第三章 マーチャンダイジングの設計
■MD編成と購買慣習の形成
■MD編成の基本パターン
■『面』とテイストのフォーカス
■スタイリングの設計
■個別MDの設計
第四章 ビジュアルマーチャンダイジングの在り方
■VMDはインストア・ブランディングだ
■VMDの二つのオリジン
■サプライ制御体系としてのVMD
■デジタル方式とアナログ方式
第五章 ビジュアルマーチャンダイジングの最新技法
■棚陳列のMD表現
■ハンガー陳列のMD表現
■セットアップMDとサーキットVMD展開
■ルックMDとサーキットVMD展開
■モノルックMDの洗練されたVMD展開
■マルチコーディネイトMDのリミックスVMD展開
■カラー配列の表現
■陳列フォルムの韻律表現
第六章 マーチャンダイジングの営業展開
■計数計画の起点は売上月指数
■営業期設定手法
■季節定番による顧客蓄積
■スタイル提案によるストーリー展開
■在庫運用と再編集
第七章 ソーシング政策
■リテイラーのソーシング政策
■調達手法の功罪と使い分け
■ブランドメーカーのソーシング政策
■QRの功罪と仕様の独自性
第八章 ディストリビューションの戦略と技術
■ディストリビューションとは
■標準化とタイプ分けが精度を決める
■初期配分の3手法
■補充配分の4手法
■品揃えバランスのコントロール
■店間移動は自動アラーム/自動再配分が理想
■マークダウンは最後の手段
■デジタルプロセス化が不可欠
■IT革新がロジスティクス戦略を変えた
第九章 マーチャンダイジングの組織
■マーチャンダイジングの分業と連係
■マーチャンダイジングの中核を担う組織
■リテイラーの多店化と組織進化
■多店化への3つの壁
■アパレルメーカーの直営店展開と組織の変容
■分業すれど分権せず、伝道すれど命令せず
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エピローグ 『改革へのアプローチ』
企業や事業の改革や再生にあたっては様々なアプローチがありますが、『リストラクチャリング・アプローチ』に始まって『ビジネスモデル・アプローチ』へ移行するというのが近年の定石だった感があります。ファッションビジネスにおいては、これらに『マーチャンダイジング・アプローチ』を加えないと実際の浮揚には繋がりません。
これらを手順通りに遂行したとしても、成果があがるとは限りません。何故なら、事業を実際に遂行するのは従業員であり、事業の評価を下すのは顧客だからです。
冷徹な『リストラクチャリング・アプローチ』に始まっては従業員の活力を損なうリスクがありますし、机上の『ビジネスモデル・アプローチ』の遂行を命じるだけでは現場の創意工夫を引き出すのは困難です。これでは『マーチャンダイジング・アプローチ』を加えても顧客の支持は盛り上がらず、改革も再生も頓挫することになりかねません。
これらのアプローチ以前に必要なのが、従業員の活力を引き出す『マネジメント・アプローチ』であり、明確なステートメントの伝道によって志の組織共有を実現しないと何も始まらないのです。今日のファッションビジネスにとって、『ブランディング・アプローチ』ほど従業員を奮い立たせるステートメントは他に考えられません。その志が顧客にまで伝道されるとき、『ブランドビジネス』が離陸するのです。
本書は『ブランディング・アプローチ』のスタンスに立ち、マーチャンダイジング=ビジュアルマーチャンダイジングからディストリビューションまで、過去の経験則も踏まえて最新の技術と戦略を体系化したものです。本書がブランドビジネスを目指す人々の志にふれ、そのロマンの実現にわずかでもお役に立てるとしたら、筆者の努力も報われるというものです。
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