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ファッション販売2002年6月号 『今春の百貨店リモデルを総括する』(株)小島ファッションマーケティング代表取締役 小島健輔キーポイントは自主MDとセレクトMD自主MD売場は昨年のリモデルでも各社が積極的に拡充したが、今春でも伊勢丹本店の「マルシェ・アンジェリーク」、三越銀座店の「モーダ・エレッタ」といったセレクト志向の強い新設ショップが目についた。セレクト型の自主MDショップは西武百貨店の「パラグラフ」や「ジャック・イン・ザ・キューブ」、伊勢丹の「リ・スタイル」、昨春開設の松屋銀座店の「リタズ・ダイアリー」、メンズでは西武百貨店の「ワールド・デザイン・ディグリー」や松屋銀座店の「ソーホーズ・ルーム」等、ほとんどの百貨店が既に手掛けている。が、まだすべてのゾーンで揃った訳ではなく、来春に向けてさらにバラエティが拡がっていくと思われる。セレクト型の自主MDショップはブランドMDを補完してウェアリングにコントラストを与えるのみならず、ストア差別化のスパイスたる役割を果たすもので、各ゾーンのコアとして不可欠な存在だからだ。 マーケットがコントラストの強いセレクト感覚のウェアリングを強める中、西武百貨店渋谷店の「パンソーパー・アダム・エ・ロペ」、小田急百貨店新宿店の「ノエ」(クラティストス)等、セレクトショップを導入するケースも一部で見られた。 セレクトショップの導入は西武百貨店の「ユナイテッド・アローズ」や「シップス」等の事例はあるものの歩合家賃の問題もあって極めて例外的。しかし、同様にセレクト的なウェアリングが強まっているロンドンのセルフリッジでは昨秋、ニューヨークやロンドンの若手デザイナーズブランドを編集したセレクトショップ「ザ・ウエストビレッジ」をヤングゾーンに導入しているし、パリのプランタンでも60年代のオートクチュール名品を揃えたハイ・ヴィンテージのセレクトショップ「ディディエ・リュド」をモード館二階に導入。LVMHグループのボン・マルシェもデニムを中核としたヤングカジュアルの自主編集セレクトショップ「マリー・オン・ミル」を開設する等、セレクトMDの拡充は日欧共通した動きとなっている。 ブランドショップもセレクトMDを志向ニューミセスと言えば、今春のリモデルで最も手が入ったゾーンと言えよう。「グラン・ミュー」「マリナ・ヨッティング」「エゼ・ピュイ」等を導入した三越銀座店、「スマート・ピンク」等を導入した小田急百貨店新宿店がその好例だ。ヤングキャリア〜トランスキャリアのてこ入れが一巡した事もあるが、新ブランドの登場や売上の回復も背景となっているのだろう。 まだまだ面が平板なブランドMDに固執するブランドも多いが、インポートのキャリアブランドでもセレクト感覚のリミックスが強まっており、セレクト感覚を強めるブランドショップが増えていくのは間違いないだろう。 セレクトMDで売上回復靴に限らず、デザインや後加工に凝ったセレクト商品の導入は百貨店の販売単価を確実に上昇させたばかりか、セレクトショップの顧客層も取り込んで売上回復の一因となっているから、今秋以降のリモデルでもセレクトMDの導入は一段と加速する事になるだろう。となれば、我が世の春を謳歌しているセレクトショップの一部は影響を受けざるを得ない。ポイントカード割り引きや手厚い顧客サービスといった百貨店の魅力を考えれば、セレクトショップは抜本的な顧客サービスの革新を迫られるかも知れない。 自主MD売場の実態1)チェーンユニット化NB平場型は在来のNB平場をラック単位に自主構成してサプライはベンダーに依存するというものだから、ベンダータイアップのオリジナル商品があるにしても、リスクを追った自主MDとは比較すべくもない。自主運営平場の枠内と考えるべきであろう。 2)自主編集平場型はNBや専門店ブランドを買い取ってアイテム別やテイスト別に編集運用するもので、多少は委託が含まれるにしても、リスクを負って自主運用する本物の自主MDである。 3)PB中核ショップ型はSPAあるいはブランド型のMDを志向するもので、初期には大手アパレルとタイアップした実質NPB的なケースも見受けられたが、今日の主流はアパレルとのコラボレート型か商社やOEM業者を活用した自主開発型に移行しつつある。PBやブランドの代替という性格が強く、ブランドMDの補完機能という自主MD本来の役割は弱い。 運用技術を欠く自主MD売場の限界顧客の求めるスタイリングは刻々と変わっていくから、変化を感知してリミックス編集とルック訴求を週単位に組み換えなければならないし、シーズンピークではアイテム毎の面揃えも訴求しなければならない。末期ではリミックス訴求による売り切り編集テクも求められる。セレクトショップでは当たり前のことだが、百貨店の自主MD売場ではほとんど出来ていないのが実情だ。 これでは販売消化が進まないから買取りMDは行き詰まってしまう。自主MDは販売消化を促進する編集運用技術が大前提であり、現状の技量では百貨店の自主MDはいずれ行き詰まりかねないリスクを孕んでいる。 リモデルラッシュの本番は来春以降長引く不況下で除却損計上もままならず継ぎはぎのブランド入れ替えで濁して来た百貨店が多く、今回のリモデルでようやくスッキリとしたゾーニングと環境を実現した店もある。その意味では、今春のリモデルはまだ五合目。一部の先行する有力店で行われた特選服飾ゾーンや靴売場の拡充には手をつけられないでいる店も多く、本格的なリモデルラッシュはむしろ来春以降となる。その時までには自主MD売場の運用技量問題を解決しておくべきではないか。 |
![]() ※誌名のないバックナンバーは「ファッション販売」です。 | |
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| 『2002年のビジネストレンド』2002年3月号 | |
| 『PB開発の成功条件』2002年2月号 | |
| 『専門店V字回復の構図』2002年1月号 | |
| 『付加価値型SB戦略でV字回復のポイント』2002年1月号 | |
| 『ピカソ一号店に見るドンキの可能性』2001年12月号「商業界」 | |
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| 『価格破壊第三波の旗手、ダイソーはバラエティストアを超える』2001年11月号「商業界」 | |
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| 『小島健輔の百貨店ゼネラルマーチャンダイザー再生論』2001年7月号「販売革新」短期連載-最終回 | |
| 『アベイルはポストSPAの星となれるか』2001年9月号 | |
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