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ファッション販売2002年7月号 『2002秋冬トレンド総括とリミックスMD提案』(株)小島ファッションマーケティング代表取締役 小島健輔汚な目とキレイ目の綱引きただし、イタリアン・インポートからブリッジにかけての有力ブランドは後加工を効かせた上でキレイ目に仕上げ、ハーモニックな面合わせに着地させるスタイリングに移行済みだし、神戸エレガンス系でも「リステア」等のセレクトショップでは、キレイ目アイテムと後加工剥き出しのアイテムをシャープにコントラストするスタイリングが目立って来た。それはあの「Mプルミエ」とて同様で、キレイ目スタイリッシュ系ブランドもこのどちらかのスタイリングに移行しつつある。 カジュアルマーケットの方は増々、面のコントラストと複雑なリミックスを強めており、ユーズドやヴィンテージまで取り込むスタイリングがマイナーの枠を超えて拡がりつつある。五家に代表されるメジャー系セレクトショップはもはや安心派のポジションであり、先鋭な消費者はユーズドミックスSPAやユーズドショップを徘徊している。 今秋冬では洗いや薬品処理、斑染め、後プリント、ハンドペイント、ダメージ加工はもちろん、カスタマイズまで絡めて後加工のテクがさらに凝ったものとなり、デニムに加えてコーデュロイやスウェード、レザー/フェイクレザー、綿ベルベット等にも拡がる。加えて、ひとつのアイテムの中に後加工のみならず、ボンディングによる表面素材の特性を超えた量感出しや張り感出し、後加工+仕上げ着地によるラックス&チープの表現、デザイン・ディティールでのリミックスも重なってくるから、カジュアルのストリート志向、技有りリミックス志向はさらに加速すると見なければなるまい。その一方でブリッジ以上のマーケットでは素材の高級化と高級素材の惜し気もない後加工(もちろん、仕上げで着地させる)も進むから、エレガントな大人の“ラックス&チープ”もマークしておくべきだろう。 ストリートとコレクションの綱引き前者ではロックやパンク、バイカー、男っぽいワークアイテム、20年代以降の様々なヴィンテージ、そしてフォークロア、後者ではゴーシャスあるいはハードなグラマラス、30年代を中心としたフェミニンなヴィンテージ、そしてニューベーシックアイテムが目立ったが、マーケットにとっては両者はリミックスしてこなすコントラストのネタに過ぎない。この両者に限らず、今秋冬市場ではマスキュリンやワークとフェミニンやグラマラス、ロックやバイカーとフォークロアやロマンティック、パンクとグラマラス等、コントラストの強い対極的なリミックスが後加工と仕上げも含め、様々なポジションでこなされて交錯する事になる。今シーズンのコレクションではストリートのリミックス志向をひっくり返すようなパワフルなスタイリング提案は出てこなかったから、大勢はこのシナリオとなるはずだ。 コレクションは斬新なコンセプトやアイデアを提供してマーケットに新風を吹き込んでくれるが、マーケットはそれらをネタに独自にこなし、多様なスタイリングを生み出していく。コレクションのネタをトレード・オフするといった旧態な手法ではもはや付加価値は望めないから、マーケットのスタイリングとこなしの変化を先読みし、オリジナルなポジションでリミックスとこなしを提案出来るか否かが成否を分ける事になる。 トレンドの基調とMDの組み方レディスマーケットではノスタルジック、ロマンティック、ヴィンテージ、フェミニン、イノセント、コンフォートといった春夏から継続の癒し・和み系要素の一方、抑圧された情熱がミステリアスなセクシーさやロックやパンク、バイカー、マスキュリン、スタイリッシュといったアンドロジナスな要素で吹き出してくる。メンズではヴィンテージ、オールドスクール、プレッピー、レトロスポーツ、ノマド、コンフォートといった癒し・和み系要素、ライダーズ、ロック、ミリタリーといった反逆マインド系要素が継承され、リミックスの意外性やこなし、マッス感の鮮度で新しさが求められる。 強烈なトレンド要素を欠くだけに特定のスタイリングやアイテムへの集中は期待出来ず、多様なリミックスを可能とするアイテムや面のバラエティ、後加工や付加加工のバラエティを揃える細々としたMDの組み方が基本となる。が、コーデュロイやウールデニム、レザーやスウエードといった後加工・付加加工の効くキー素材は明白だから、これらを軸とした面とアイテムの展開で差別化することは可能だ。MDのキーは差別化素材の確保とその後加工・付加加工による面とアイテムの展開であり、上質素材志向と生産の国内回帰の潮流も重なってキー素材と加工ラインの逼迫が予想される。 レディスのリミックス提案(ヤングマーケット)セクシー系では、それに巻き込まれてポジションが曖昧になり、勢いを失うショップも目立った。秋冬期でもこのオーバーラップは残るが、セクシー系のお姉さんゾーンはコレクショントレンドのミステリアスなセクシーラインにパンクやバイカーをスパイスし、スタイリッシュに変貌して混戦を離脱するだろう。 このセクシースタイルからもう少しナチュラルベースに寄せてガーリッシュをリミックスして甘さを加え、ワークやパンク、フォークロアをスパイスしてギャルお姉さんのカワイカッコイイ着回しを提案したのが“ガーリッシュ&スタイリッシュ・リミックス”。ハードでパンクなレザーブルゾン、ワークパンツにフリルやギャザー、リボン使いのバレリーナ風アイテムをレイヤードして、危ういエロ味のある甘辛ミックススタイルを表現したい。 ストリートスタイルではさらにヴィンテージ味が強まって70〜80年代のデッドストック品のようなデザインや面が好まれ、ワークベースにトラッドやスポーツ、ロック、フォークロアやフェミニン等、多様なリミックスが拡がる。その中から、ワークベースにヴィンテージ、トラッド、ロックをリミックスする男の子っぽい“トラッド&ロック・リミックス”を提案。ヴィンテージ加工のレザーやデニムのライダースジャケット等のロックなアイテムにクロップトパンツとニットのルーズスパッツのレイヤード、ブーツ・インのワークパンツやワイドカーゴパンツ、エプロンスカート等のワーク味なボトムをコントラスト、80'sなデザインカット、リブニットやアランニット、ボーダージャージ等のトラッド味アイテムで和みを加えて着回したい。
レディスのリミックス提案(ヤングキャリアマーケット)ナチュラルフェミニン系では、フェミニン、トラッド、ワークをベースにブリティッシュとフォークロアをリミックス、ヴィンテージとハンドクラフトをスパイスする“ブリティッシュ&フォークロア・リミックス”を提案。Pコートやトレンチ等の素材替えバリエーションやカシミヤ等の高級素材ベーシックアイテム、タータンチェックやヘリンボーン使いの英国調素材アイテム、ファー使いのコート、刺繍やパッチワークのスモックやチュニック、フレアやティアードのスカート、ハンドクラフト調のざっくり編みロングカーデガンや編み込みニット等のフォークロアアイテム、ワーク味の箱ポケット付きジャケットやクロップトパンツ等をコントラストを効かせて着合わす。 ソフトモード系ではスタイリッシュ、エレガンスをベースにセクシー&グラマラス、マスキュリンをリミックス、ロックやバイカー、ヴィンテージをスパイスする“ワイルド&セクシー・スタイリッシュ”を提案。ヴィンテージ加工のレザーやベルベットのライダーズジャケット、ファー使いジャケット等のワイルド&ロックなアイテム、ピンストライプのスリムやワイドのパンツ等のマスキュリンアイテムに光沢素材や透け素材、ラメのシャーリングやレースアップ、ドレープ使いのグラマラスなトップスをリミックス。黒やダークグレー、ボルドー等のダークカラーでミステリアス&スタイリッシュにまとめたい。
メンズストリートのリミックス提案秋冬でもこの基本構造に大きな変化はないと思われるが、左右の裏原マーケットがメジャーカジュアルマーケットへの影響力を強める一方、両メジャーカジュアルマーケットがセレクトマーケットに引っ張られて一部で重なっていくと考えられる。 秋冬の有望テーマとして、ストリート寄りの濃い味セレクトショップマーケットから“ストリートIVYリミックス”を、ロック系〜クリエイター系裏原マーケットをソースとして“ビートニク&ミリタリーリミックス”を提案したい。 “ストリートIVYリミックス”はメンズカジュアルの王道要素である「ワーク、ヴィンテージ、ミリタリー」を踏まえつつ、一見すると古くさいIVYやレトロスポーツを‘かわいくキレイ目’のストリート感覚に着こなすカップル対応の和み系スタイル。シルエットはややルーズながらも、エクストリーム系とは異なる‘だらしなく無い’腰穿きスタイル。 注目アイテムはヒッコリーの丈長Gジャンやバラクーダ型のスウィングトップ等のワーク&IVY調アウターで、ベロアのジャージやスウェット素材のワークパンツを合わる。ライン/ストライプ/チェック/ボーダー等の温かみあるレトロな柄使い、ワンポイントロゴやナンバーロゴ使い、フットサル用スニーカーやスニーカー感覚のブーツ等のクセのあるシューズでアクセントをつけたい。 “ビートニク&ミリタリーリミックス”は、ナチュラルモードをベースにビートニクやミリタリー、バイカー、グランジ等の様々な要素を‘知的なロック’感覚で着こなすスタイリッシュ系。シルエットは全体にシャープだが、一部のボトムはルーズに腰穿きしたい。 注目アイテムはコーデュロイの細身丈長Gジャンやレザーのシングルライダース、カスタマイズド・カラージーンズ、ストライプデニムのジーンズ/カーゴパンツ等で、加工物アウターにドレスシャツを合わせるセクシーな着こなしやグランジ感覚のモード風レイヤードスタイルが新鮮。ビートニクからはギンズバーグ等のビート詩人や初期のボブディラン等のミュージシャンが、グランジからはカートコバーンが、共にファッション・アイコンとして注目されそうだ。
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| 『今春の百貨店リモデルを総括する』2002年6月号 | |
| 『ベイクルーズの魅力と強さの源泉を探る』2002年6月号 | |
| 『ユニクロの大失速に何を学ぶか』2002年4月号 | |
| 『2002年のビジネストレンド』2002年3月号 | |
| 『PB開発の成功条件』2002年2月号 | |
| 『専門店V字回復の構図』2002年1月号 | |
| 『付加価値型SB戦略でV字回復のポイント』2002年1月号 | |
| 『ピカソ一号店に見るドンキの可能性』2001年12月号「商業界」 | |
| 『無印良品の復活は何時か』2001年12月号 | |
| 『価格破壊第三波の旗手、ダイソーはバラエティストアを超える』2001年11月号「商業界」 | |
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| 『SCの明暗を分ける要件・・・イオンSCと他量販店系SCの差』2001年10月号「商業界」 | |
| 『ファッション・バラエティストアを開発せよ』2001年10月号 | |
| 『大型専門店導入のキーポイント』2001年9月号「URERU」 | |
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