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ファッション販売2003年2月号 『好調専門店の条件』(株)小島ファッションマーケティング代表取締役 小島健輔回復に転じた婦人服専門店その傾向が最も顕著なのがヤングのストリートカジュアルで、ポイントの「ローリーズファーム」、キャビンの「e・a・p」、シンシアの「イン&アウト」、アルファベットパステルの「アルファベットクラブ」等が好調に伸ばしている。ポピュラーパーツの「クレドソル」(リオチェーン)も好調だ。 セクシーガールではストリートカジュアルとの同質化を抜け切れずに低迷するブランドが多いが、手頃な価格でOL層も取り込んだエレガンス系はまだ堅調だ。その伸び頭であったデリカの「セシルマクビー」は、効率の限界に近づいて伸びが鈍化して来た(好調要因は本誌前月号を参照されたい)。サヤの「ミジェーン」はロコガール復活の潮に乗って絶好調に加速しているが、109系では珍しくコンセプトを守ってきたブランドである事も評価されているのではないか。 コンテンポラリーのOLパーツでもエレガンス系が好調で、「イング」はライバルより手頃でバリュー感のあるブランドとしてコンサバOLに人気を拍している。突出した好調ぶりを見せているのがブランドメーカー系のキャラクター編集SPAで、セレクト感覚の洒落た単品を手頃な価格で提供する「ロペ・ピクニック」が急ピッチで売上を伸ばしている。 ストア型SPAではトレンディミックス系がキャラクター編集SPA等に食われて売上を落とす一方、郊外大型SCを主戦場とするファミリーベーシック系が好調に売上を伸ばしている。その伸び頭がワールドの「ハッシュアッシュ」だが、初期に開発した「ファインリファイン」をスクラップしての捲土重来である事はあまり知られていない。その意味ではメルローズの「メルローズ・クレール」も同様で、初期の「メルローズ・アンファミーユ」からのリコンセプトが功奏して好調な伸びに繋がった。オンワード樫山の「組曲ファム」も初期は低販売効率に甘んじていたが、郊外SCでのMD展開ノウハウが積み上がるとともに売上が伸びて来た。 セレクトショップではインポート編集やストリートミックス編集SPA、ナチュラルミックス編集SPAと意外に大半のタイプが失速していく中、専門店系のトラッドミックス編集SPAとメーカー系のブランド軸編集が堅調だ。前者では単品集積に片寄るライバルが減速する一方で「ユナイテッドアローズ」の独走が続いており、後者ではジュンの「VIS」と「トゥモローランド」が好調を継続している。 新手キャラクターSPAの仕掛けたバリュー革新2001年3月の変節はローライズデニムの大ブレイクを契機とした、ベーシック工業製品から後加工の効いた手工業製品への転換であり、工業的効率を追求したカジュアル系メジャーSPAたる「ユニクロ」が凋落し、セレクトショップがブームとなっていった。それから僅か13ヶ月後の2002年4月の変節では、前年の変節以降も堅調を続けていたブランド系メジャーSPAや、好調だった大手セレクトの一角も前年を割り始めた。その要因は、セレクト感覚を取り込んだ新手のキャクターSPAが仕掛けるバリュー革新にあった。 ブランド系メジャーSPAの多くは自社企画型OEM調達を活用して原価率を20%台前半まで、大手セレクトのオリジナル開発もOEM調達で30%台前半まで削り込んでいたから、ブランドバリューがあるとは言え割高感が出始めていた。そこにメーカー系、専門店系の新手キャラクターSPAがセレクト感覚を取り込んだ低価格バリュー商品を押し出して来たのだから、顧客が流れてしまったのもやむを得ない。 彼等は先行する大手よりロットは小さいものの、値下げロスを低く押さえて値入れを削り、低価格でバリューを訴求している。その代表的な例がワールドの「ハッシュアッシュ」やジュンの「ロペ・ピクニック」だ。キャビンの「e・a・p」やアウトバーンの「キリウォッチ」も手頃な価格と鮮度でバリュー感を訴求している。 鮮度も品質もブランド系メジャーSPAや大手セレクトのオリジナルと遜色ない、あるいは鮮度的にはそれ以上の商品が格段に手頃な価格で手に入るのだから、インパクトは大きかった。「ロペ・ピクニック」はターミナルの既存店売上を60%も伸ばして高効率ブランドの仲間入りを果たし、「ハッシュアッシュ」も郊外大型SCで同20〜40%台の伸びを見せつけている。 「誰でもSPA時代」が開いたビッグチャンスそのような視点で見ると、ストリートカジュアルの好調専門店は大半がこのシナリオに乗ったものだと読める。ポイントの「ローリーズファーム」はその先行例として高い評価を得ているし、シンシアの「イン&アウト」、キャビンの「e・a・p」、アルファベットパステルの「アルファベットクラブ」もその例にもれない。 専門店系のキャラクターSPAに共通する成功条件は、1)テイストとプライスポイントを明確に絞り、オリジナル百%のキャラクターブランドに徹している(顧客にはメーカー系に見えるかも)、2)値入れを押さえて手頃な価格にし、バリュー競争力を高めている、3)セレクトショップとも共通するナチュラルで和める内装と陳列でチェーン臭がない、4)既存業態の臭いを残さず、まったく新しいブランドとしてデビューしている、5)キャラクターブランドとして広告やバブリシティに力を入れている、の5点と考えられる。 最近の好調専門店に共通しているのは、かつてのような売れ筋の補給力や運用の上手さではなく、ブランドとしてのポジションとバリュー感の明確な主張のように思われる。それはメーカー系ブランドともはや何も違わない次元に近づいており、同じ土俵でのエクイティ戦略が意識されるのも時間の問題だ。「誰でもSPA時代」がもたらした専門店意識改革 の片鱗を見る思いがする。 |
![]() ※誌名のないバックナンバーは「ファッション販売」です。 | |
| 『ユニクロ復活の条件は業態分割だ』2003年1月号 | |
| 『2003年ファッションビジネスの五大潮流』2003年1月号 | |
| 『SPAの基本に立つセレクト的VMD表現とその限界』2002年12月号 | |
| 『ラグジュアリーブランドの明暗 =突出するルイ・ヴィトン=』2002年11月号 | |
| 『専門店復活の構図 プロジェクトX成功の条件』2002年11月号 | |
| 『大手セレクトvs.新興包囲勢力の戦局』2002年10月号 | |
| 『トウィーンズブランド満載の109町田』2002年10月号 | |
| 『21世紀の勝ち組パスポートを手にしたワールド』2002年9月号 | |
| 『裏原ビジネスに学ぶ商いの原点』2002年9月号 | |
| 『セレクトショップに学ぶFBのルネサンス』2002年8月号 | |
| 『ジュングループのセレクト戦略』2002年8月号 | |
| 『メガ企業に化ける“しまむら”』2002年7月号 | |
| 『2002秋冬トレンド総括とリミックスMD提案』2002年7月号 | |
| 『今春の百貨店リモデルを総括する』2002年6月号 | |
| 『ベイクルーズの魅力と強さの源泉を探る』2002年6月号 | |
| 『ユニクロの大失速に何を学ぶか』2002年4月号 | |
| 『2002年のビジネストレンド』2002年3月号 | |
| 『PB開発の成功条件』2002年2月号 | |