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商業界2007年12月号 『SC出店の最新状況』(株)小島ファッションマーケティング代表取締役 小島健輔とは言え、退店率は3年前の68%から出店の加速とともに急低下していったというのが実態で、過去15年という長期レンジの平均は6割強に達する。SC開発ラッシュが終わる09年以降、00年3月に導入された定期借家契約の満期明けラッシュも重なり、退店率は急速に悪化すると危惧される。ちなみにSPACメンバーの今期の退店事例でも、駅ビルでは6割強が定期借家契約満了による退店と報告されている。 ※SPACは当社で主催する有力テナント企業(専門店とブランドビジネス)など93社が加盟する経営実務研究会。SPAC研究会の御紹介はこちら 定期借家契約も大型商業施設の新規出店時には常識化しており、メンバーの今期出店事例でも9割近くが適用。4年前が54%弱、3年前が74%強、2年前が8割弱、昨年が83%強、今年が88%弱と急速に主流化している。既存店でも契約更新時に定期借家契約に切り替えるデベロッパーが多く、もはや旧借家契約は例外的となってきている。 定期借家契約では満了時、デベロッパーの意向次第で退店を余儀無くされるが、適用率が100%近い駅ビルの契約期間が平均3.5年というのは内装除却損のリスクが指摘される。メンバーの出店事例でも、定期借家契約かつ期間3年以下という契約が4分の1以上を占めており、契約期間の交渉が重要と思われる。 大都市の商業地価反騰を受け、駅ビル/ファッションビルはもちろん、郊外大型SCにまで家賃上昇が波及。昨年まで下がり続けて来た保証金/敷金も今年の新規出店事例では家賃に比例して上昇に転じ、平均で12.3%も上昇している。今後は地方都市のターミナル/ダウンタウン立地にも保証金/敷金の上昇が波及して行くと見られる。 ここ数年、坪当り内装費の上昇が顕著で、今年もメンバー出店事例平均で坪当り43万円と前年から2.1%上昇した。家賃の10〜12ヶ月相当と言われてほぼ敷金に近似した負担となって来たが、最近は郊外SC店の内装費上昇が顕著で今年も15%強上昇し(平均39万円)、やや低下した駅ビル/ファッションビルの内装費(45万円強)と大差なくなった。郊外SC店の内装費上昇は、1)テナントバラエティ拡充による小箱化、2)販売員不足の深刻化による採用対策(かっこいい店でないと人が集まらない)、が主な要因と言われる。 これらはテナント出店のケースであり、歩率の高い百貨店インショップでは郊外店でも不動産費率は30%近く、ダウンタウン店では30%を大きく超えてしまう。付加価値をタップリ付けたブランドショップでない限り採算は採れないから、決して近付いてはならない。 坪当り不動産費月額の絶対水準は販売効率の高い駅ビルが約78600円と最も高く、ファッションビルが約59000円で続く。ダウンタウンのGMS核SCが約55700円、意外と販売効率が高いアウトレットモールが約51400円。郊外大型SCは約39600円とほぼ4万円に達し、郊外小型SCは約30600円と3割方安いが、販売効率はそれ以上に低い。郊外大型SCもアップスケールして坪月4万円という時代になっており、それなりの販売効率が出せないと利益が望めなくなっている。 この相場はデベロッパーの評価の高いSPACメンバーの平均値であり、一般のローカルテナントはこれより割高な水準を覚悟する必要があろう。 逆に低評価だったのが、大和情報サービス、大和リース、ロック開発の大和系小商圏SCデベロッパー。平和堂、イトーヨーカ堂、ユニー、西友などの量販店系デベロッバー、双日商業開発も評価が低い。 個別項目で見ると、立地ではイオンモール、チェルシー、東神開発、当然だがルミネと東京圏駅ビル開発が高評価。施設レイアウトではイオンモール、チェルシー、ダイヤモンドシティに加え、三井不動産とルミネも高評価。テナントミックスではルミネ、イオンモール、チェルシー、三井不動産、ダイヤモンドシティの順に高評価。日常のテナント運営についても、ルミネ、イオンモール、東京圏駅ビル開発、ダイヤモンドシティ、三井不動産の順に評価が高かった。 これらの評価は各社が開発した個別SCの営業成績ともほぼ一致しており、実績が評価されたものと言えよう。逆に言えば、高評価デベロッパーの開発するSCは成功率が高いという事にもなろう。 |